こことこの辺

よくわかんないことばっか考えてる

物語を作る時の話

 

 


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最近たくさんの人が書く物語に触れる機会があった。

プロなどではなく、素人が自分なりに考え試行錯誤してきた物語だ。面白い物が沢山あったが、やはりあと一歩、とかあと1つ何かしらの要素があれば、とかここをこうすれば、みたいなものが沢山あった。

まあ物語なんか書いたことない人がほとんどだし書き方なんかわかんないよなぁ、と思ったので、自分なりの物語の作り方をまとめてみよう。

 


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と、いう訳でここに上げた画像は台本の各要素をまとめたグラフだ。

別に物語を作る時にこんなグラフを使っている訳ではないのだが、頭の中で考えるのは大体こんな事なので、わかりやすく図にするために上げておく。

ちなみに、きちんとした使い方をするなら書き上がった物を自分で読んでみて、このようにまとめてみるといいと思う。


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では、ここからはグラフに上げた各要素について説明しよう。

 

メッセージ性

 

これは単純に物語に何を込めるか、その話を見た人に何を感じて欲しいかである。

メッセージ性なんて言い方をすると大仰だが、別に「腹を抱えて笑って欲しい」でも、「見た人の心が温まるような感じ」でも何でもいい。もちろん、「諦めない心が大事」だとか、「平和の大切さについて考えて欲しい」とか大きなメッセージを込めてもいいんだけどね。

 

構成

 

これは例えば伏線だったりするし、例えば時間軸の事だったりする。

キャラが何をしたのか、その結果何がどう変わったのかみたいな所がちゃんとまとまってるか、といった感じ。

これがちゃんと出来ていないと、見た人は「何がどうなってこうなったのか分からない」と感じることになる。

それから、物語の緩急である。緩いところは緩く、シリアスな所はきちんとシリアスにする、という切り替えが出来ていなかったり、同じテンションがいつまでも続くようだと、見る側も途中でダレたり、そのシーンを見るのに相応しくないテンションで物語を見ることになってしまう。

 

セリフ

 

セリフまわし。これはすごく大事。例えば、そのキャラに違和感のない言葉、口調、語尾になっているかとか、セリフの中で自然に説明したり伏線を貼ったり出来ているか、という所。

もちろん、日本語がきちんと成立しているかも大切。日本語がちゃんと出来ていないと、Google翻訳で再翻訳をした様なセリフになる。

そして、1番大切なのは見る人を飽きさせない事。人間はつまらない事を長々と話されると、つまらないと感じて興味を失ってしまう。だから例えばギャグを入れたり、セリフの無駄を減らしたりして見る人の心を繋ぎ止める工夫をしなければならない。

 

キャラクター

 

キャラクターが大事だというのはよく言われることだ。何せ見る側はキャラクターを通して物語の世界に入り込むのだ。キャラクターに感情移入が出来なければ、見る側にとっては「知らない所で知らない奴らが知らないことをしている」だけになり、面白いとは思えない。

不良がケンカをする漫画が好きでも、街の不良がケンカをしていてもそれを面白いと思って見ることは出来ないのではないか。

それは、漫画にはキャラクターを通して見えるドラマがあるが、街の不良にはどんなドラマがあっても当事者に感情移入が出来ないからである。

 

意外性

 

意外性はかなり大事な要素だ。意外性が全くない先が読めてしまう物語は見る上での刺激がなくなってしまう。ネタバレを極端に嫌う人がいるのも、こういうことだ。

意外性とは何か、というと物語を見ていく中で、または見終わった後の「マジか!!」である。人間は物語を見ていく中で先の展開を予想しながら見るものだが、その予想を超えた「マジか!!」こそ面白さを生み出す。この「マジか!!」が大きいほど見る側は興奮するし、そこで心がぐっと引かれる。

しかし、この意外性も、伏線による裏付けがなければ突然出てきた物だ。先を完全に予測することは出来ないが、それがあったからこそ納得が出来る伏線の張り方をしなければならない訳だ。

これが上手い人になってくると、意図的に違うことを予測させておいてから、その予測を裏切ってくるような、所謂ミスリードをしたりもするのだが。

 

独自性

 

独自性とは要するに、自分にしか出来ないような要素である。

パクリだとか、どこかで見たような話、というものは感動が薄れる物だ。また、先程上げた意外性もなくなってしまう。

例えば、あなたが桃太郎を書くとしよう。日本で知らない人はいないというくらいには有名な桃太郎だが、ただ桃太郎を書いただけでは何も面白くはならない。

安直な例になってしまうが、舞台を宇宙にしたり、鬼退治に向かう桃太郎の心理的な描写を色濃く描くなど、あなたなりの要素を付け足さなければ、もう既に知っている桃太郎という物語に対しては何の感慨も抱かないのである。

ただの桃太郎では何も感じないが、先程上げた「心理的な描写を強くする」という要素が加わり、例えば「桃太郎は鬼退治に行く上で何が正義がを考えていた」となれば、見る側は「なるほど、桃太郎はあの時そんな事を考えていたのか」と思い、それが面白いという感覚に繋がっていくのである。

 

1番大切な事

 

と、いう訳で色々と物語を書く上で必要な要素を上げてきたが、1番大切な事はよく言われるように、「楽しんで書くこと」である。楽しく書くことが出来ればモチベーションが上がるので、物語を作る上でたくさんのことを考え、思いつくことが出来る。それに、書いた本人が面白いと思えない物を他人が面白いと感じるか、というと無理な話だろうと思う。

書きたい、という気持ちがあるのであれば、その書きたいを思いっきりぶつけてみるといい。その上で、それぞれの要素がちゃんと出来ているかとか、こうした方が面白いと思ってくれるかなとかで微調整をしていく。もちろん、大幅な書き直しをしなければならないこともあると思う。しかし、直す上でも「ここをこう変えた方が自分としては面白い!」という所をしっかり大事にして書いていかないと書くことが苦痛になってしまう。

書きたいことがあるのに書くのがつらいなんて勿体ない!

自分の書きたい気持ちを大事に、自分が楽しみながら、他の人も楽しませることが出来るような作品を目指して。

あなたが物語を書くことも1つの物語、楽しんだり感動することが出来るように。

 

長々と書いたけれど今回はこの辺で。

では、楽しい創作ライフを!